モデルハウス見学の注意点とは?来場の流れ別チェックリスト
マイホームの購入を検討する際には、モデルハウスの見学をして生活イメージを膨らませることが大切です。
しかし何も準備せずただ見るだけでは、有益な情報を得られないまま終わってしまう可能性があります。
そこで本記事では、モデルハウス見学における注意点を来場~帰宅までのステップごとに解説します。
本記事を最後まで読めば、モデルハウス見学の注意点と全体の流れを同時に把握できるので、ぜひ参考にしてみてください。
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モデルハウスの見学は見るだけでもOK?
モデルハウス見学に対して、「買う気がないなら行くべきではない」「しつこく押し売りされるのでは?」などの印象を抱く方も多いことでしょう。
しかしほとんどの住宅メーカーは、モデルハウスの見学だけの方も歓迎しています。
モデルハウスにおける目的のひとつに、「自社が建てる住宅を色んな人に知ってもらいたい」という意図があるからです。
見学中に営業担当者から住宅の購入時期について聞かれる可能性はありますが、今すぐに購入を考えていない場合はその旨を素直に伝えて問題ありません。
資金計画や一般的な家の広さ・間取り例など、マイホームに関わる基礎的なポイントについて知れる機会と思って見学してみましょう。
見学できるモデルハウスの種類
モデルハウスを見学できる場所は、大きく分けて住宅展示場と分譲の2種類があります。
種類①:住宅展示場
住宅展示場とは、複数の住宅メーカーが建てたモデルハウスが並んでいる展示会場のことを指します。
一度の来場で複数の住宅メーカーを比較・検討できる他、ほとんどの場合予約が不要なので気軽に見学できる点がメリットです。
単に家を見学するだけでなく、専門家による注文住宅関係のセミナーや家族向けのワークショップが開催されていることもあります。
種類②:分譲
住宅メーカーが分譲地に建てた一軒のモデルハウスを公開しているタイプで、一定期間のみ一般客へ公開されます。
公開期間後は売却できるよう一般的な住宅の広さになっている場合がほとんどで、必要な設備もすでに設置されています。
住宅メーカーによってはモデルハウスの宿泊体験も実施しており、実際の生活感を体験したい方やすぐに家を購入したい方に向いています。
モデルハウス見学の注意点【リサーチ編】
モデルハウス見学で実際の住宅づくりに活かせる情報を得るには、入念な事前準備が重要です。
注意点①:住宅の基礎知識を押さえておく
住宅における断熱性・耐火性・耐震性・気密性などの性能は、建築費用や住み心地に直接影響するポイントです。
住宅メーカーはモデルハウスを通して自社が開発した工法や性能などをアピールしていますが、それらの知識がないまま説明を受けても理解できずに終わってしまいます。
見学で得た情報の理解を深め、費用・住み心地ともに納得できる住宅を建てるためにも住宅の基礎知識は調べておきましょう。
また、知識を身に付ければ営業担当者の説明における正確性も見極めやすくなります。
注意点②:ライフスタイル・プランをリストアップする
自分や家族のライフスタイルや、家を建てたあとのライフプランを明確化しておきましょう。
将来的に何人で住みたいのか?ペットは買うのか?現在の暮らしで改善したいところはあるのか?などを家族と話し合い、リストにまとめます。
これにより新居での生活動線や家事動線がイメージしやすくなり、見学したモデルハウスの間取りが自分たちにとって適切であるかを判断しやすくなります。
注意点③:家具のサイズ・収納量を把握しておく
家具のサイズや求める収納量によって、確保するべき住宅の広さ・間取りは変わります。
新居に置きたい家具があれば事前に家具の寸法を測ったり、現状のライフスタイルと将来的なプランに応じて必要な収納量を決めておきましょう。
見学の際はメジャーを持参して部屋の広さを測れば、置きたい家具が収まるスペースを確認できます。
注意点④:住まいのこだわりたい部分をピックアップする
注文住宅を建てるとなれば様々な要望を思い浮かべるものですが、あまりに多くの要望を詰め込むと建築費用が予算を超える可能性があります。
自分や家族のライフスタイルを考慮しながらこだわりたい内容を精査し、優先度の高いものからピックアップしましょう。
ピックアップしたものをメモにまとめておけばチェックするべき部分が明確化され、効率よく見学を進められます。
注意点⑤:予算を概算する
現在の自己資金や収入などを参考に、おおよその予算も決めておきましょう。
見学時は暮らしに関わるこだわりと一緒に予算の希望を営業担当者に伝えれば、予算に合ったプランを提案してもらえます。
注意点⑥:ハウスメーカー・工務店を絞り込む
自分たちに合ったハウスメーカーや工務店を見つけるには、複数のモデルハウスを見学・比較することが大切です。
しかしモデルハウスの見学にかかる時間・労力は決して少なくないため、計画的に見学をする必要があります。
資料請求やインターネット、SNSなどでハウスメーカーや工務店の情報を収集し、特に気になるところを3社程度まで絞り込みましょう。
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注意点⑦:家族全員での見学を予約する
モデルハウスは、新居で暮らす家族全員で見学をしましょう。
同じ家に暮らしても、ライフスタイルや住まいに求めるポイントは家族によって異なるからです。
家族と一緒に見学すれば、自分では得られなかった気づきや見つけられなかった疑問点が浮かぶ可能性があります。
モデルハウス見学の注意点【当日準備編】
見学当日は、以下のポイントを意識して準備をしましょう。
注意点①:軽装で向かう
モデルハウスの見学時は住宅の隅々まで歩き回ったり、階段を上り下りしたりが続くため動きやすい服装がおすすめです。
また、スリッパの履き替えもあるため脱ぎやすい靴を選んでおくとよりスムーズに見学できます。
ただしあまりにカジュアルな服装はおすすめできません。
服装だけで態度を一変させる営業担当者はほとんどいませんが、具体的な例を挙げて説明するべきかおおまかな情報のみの説明にとどめるべきかなど、案内の程度を決めるヒントとして服装や仕草なども参考としている場合が考えられるからです。
注意点②:記録用の持ち物を準備する
筆記用具やメモ帳で、モデルハウスの様子を記録するための持ち物も準備しましょう。
営業担当者から受けた説明などをメモに書き留めておくと、帰宅時に情報を整理しやすくなります。
内外装のデザインや気になる設備を後で見返せるよう、モデルハウスや展示場にある資料をできる限り貰ってかえることをおすすめします。
ただしモデルハウスによっては撮影を禁止している場合があるため、事前に確認しておきましょう。
モデルハウス見学の注意点【見学編】
各種準備を整えたら、いよいよモデルハウスに足を運んで見学となります。
以下のポイントに注意しながら見学を進めましょう。
注意点①:営業担当者との相性を見極める
ほとんどの場合、見学時に対応してもらった営業担当者とは商談から契約、アフターフォローまで関係が続きます。
そのため安心して暮らせる住まいを手に入れるためには、営業担当者との良好な関係を築くことも大切です。
見学中のコミュニケーションを通して「自分たちとは相性が合わない」と感じた担当者は、早めに変えてもらいましょう。
注意点②:家具配置を考慮しながら実際の広さを体感する
事前に図っておいた家具のサイズを参考に、家具配置を考慮しながら実際の居住空間はどれくらいの広さになるのかをイメージしましょう。
床面積だけでなく天井の高さや吹き抜けの有無によっても体感の広さが変わるため、立ったり座ったりを繰り返しながら居住性の良さをじっくりと見極めます。
また、キッチン周りも移動しやすい程度の広さが確保されているか、冷蔵庫や食器棚などは作業しやすい位置に配置できるのかなどにも注目しましょう。
注意点③:生活動線・内装・設備をチェックする
玄関からキッチンまでの距離や、水回りなどの生活動線・家事動線は必ずチェックします。
また、玄関→リビング→トイレの来客導線も併せて確認し、生活動線に干渉しないかどうかも確認しつつモデルハウスの中を歩きましょう。
他にも内装に使われている素材やカラーリングも見ておくことで、ハウスメーカーごとのデザインコンセプトや経験値が見えてきます。
ハウスメーカーによってはオリジナルの内外装材や設備機器などを開発していることもあるため、それらを採用するメリットも営業担当者に尋ねてみると良いでしょう。
注意点④:予算内で建てられる仕様をチェックする
モデルハウスに設置されている設備の中には、標準設備とオプション設備のどちらもあります。
しかし価格は標準設備の場合におけるイメージで提示されることが多く、いくつもオプション設備を加えると予算内に収まらなくることも。
営業担当者に説明を受けながら、自分の希望と価格の変化を考慮しつつオプション設備を選別しましょう。
注意点⑤:耐震・耐火設備などの見えない住宅設備をチェックする
住宅の基礎部分や屋根裏部分、素材・工法による耐震性や耐火性の違いなどは見て回るだけで把握することはできません。
上記のように見た目だけで分からないポイントについては、営業担当者へ積極的に質問しましょう。
事前に身に付けた住宅の基礎知識は、この場面で特に役立ちます。
モデルハウス見学の注意点【帰宅編】
モデルハウス見学は1度見て終わりというわけではなく、帰宅後も考えるべきポイントがいくつかあります。
注意点①:複数回の見学を前提と考えておく
窓の配置や近隣の建物などが影響し、時間帯によっては日当たりが悪く感じる場合があります。
時間の経過と共に日の差し込み方は変化するため、時間帯をずらしながら複数回の見学が必要になると認識しておきましょう。
日当たりは住宅の耐久性や家族の健康面に影響するポイントなので、妥協しないことが大切です。
注意点②:時間を置いて見学を振り返ってみる
モデルハウスを見たときに感じたことや、営業担当者の情報を整理する時間が必要です。
ただし帰宅後すぐに情報を整理しようとしても見学時の高揚感が後を引いていたり、「早く契約した方がお得」といったセールストークによりつい前向きに検討したくなってしまいます。
一度クールダウンの時間を設けて、フラットな気持ちで情報を整理しながら住まいについて考えましょう。
注意点③:次回に向けて再度事前準備をする
情報の整理が終わったら、次回の見学に向けて再度準備を進めます。
改めてチェックしたいポイントを洗い出してリストアップし、見学の予約をしましょう。
モデルハウス見学の注意点【合わせて知っておきたい+α編】
基本的な流れにおける注意点だけでなく、以下のポイントも意識すると円滑に見学を進められます。
注意点①:モデルハウスの多くはラグジュアリー仕様で建てられている
住宅展示場のモデルハウスは、ラグジュアリー仕様の内装や設備を採用している場合が多いです。
カタログも参考にしながら標準仕様だとどのような部分が変化するのか、オプションはどの程度の範囲までつくのかなどをチェックしましょう。
注意点②:イベント・プレゼント目当てで見学しない
イベントや来場者向けのプレゼントを用意しているモデルハウスは多いですが、それらはあくまで特典であることを忘れないようにしましょう。
モデルハウス見学は住宅の購入を検討する人や購入時のヒントを得たい人に向けたサービスなので、あからさまにイベントやプレゼントを狙って来場するような行為は望ましくありません。
注意点③:子どもの行動に目を離さない
小さな子どもを連れて来場する場合は、常に子どもの行動に注意を払いましょう。
自由に動き回ってモデルハウスを汚したり、怪我をしないよう気を配ることは見学における大切なマナーです。
なかには子どもをキッズルームに預けて見学ができる会社もあります。
まとめ
モデルハウスはただ見て回るだけでなく、事前に住まいのこだわりを明確にしたり住宅の基礎知識を押さえたりといった事前準備も大切です。
見学の際は円滑にコミュニケーションを取れる担当者に相談しながら、広さ・動線・内装・設備・性能などを入念にチェックしましょう。
帰宅後は冷静に情報を整理できるよう、少し時間を置いたうえで見学を振り返ることをおすすめします。
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この記事の監修 アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士
2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。
新築だけでなくリフォームも承っておりますので、気になる方は是非無料相談会にご参加ください!
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