漆喰DIYで失敗する5つの理由と失敗事例をわかりやすく紹介
自宅にDIYを施すことを趣味としている人も多いことでしょう。
自分の家をある程度好きなようにデザインできるDIYは、趣味と実益を兼ねたとても有益な行為です。
そんなDIYの1つとして、自分で壁に漆喰塗りを行う、いわゆる「漆喰DIY」が身近なものとなりつつありますね。
しかし、よいことばかりではありません。漆喰DIYを成功させるにはいくつかの条件があり、それらを満たせなければ失敗してしまう可能性も考えられるでしょう。
この記事では、漆喰DIYが失敗してしまう主な理由を解説するとともに、具体的な失敗事例を紹介します。
漆喰DIYで失敗する理由
漆喰DIYに失敗してしまう理由としては、主に以下の5つが挙げられます。
- 素材の知識が不足している
- スキルが不足している
- 道具が準備できていない
- 下地を十分確認していない
- きちんと計画が立てられていない
上記はどれも重要なものばかりで、どれか1つでも当てはまるものがあると、失敗の可能性はぐんと高まってしまいます。
以下の解説をよく読んで、具体的に何がまずいのかしっかり把握しておきましょう。
理由①:素材の知識が不足している
素材の知識を十分に持っていなかったために失敗するというのは、漆喰DIYにおいてよくあるケースです。
漆喰と一口にいってもさまざまな種類があり、用途によって何が最適かは異なります。
メーカーによって目指している方向性が違うため、自分が塗りたい壁と、これから使おうとしている漆喰との相性がよくないこともあるでしょう。
また品質も大小さまざまであるため、安価な化学薬品を混ぜたものなどを選んだ場合、経年劣化が早まり「安物買いの銭失い」になってしまうかもしれません。
どのくらいの品質のものであればどのくらい利用価値があるのか、といった見極めも必要になってきます。
理由②:スキルが不足している
多くの物事と同じように、漆喰DIYにおいても、スキルの不足は失敗へと直結する代表的な理由の1つです。
漆喰DIYは一言でいえば壁に漆喰を塗る作業ですが、細かく見ていけばいくつもの工程があり、その1つ1つに必要なスキルがあります。
たとえば、事前に養生する必要がありますが、その際にマスキングテープを上手に貼らなければ、塗ったものがはみ出てしまいます。
スキル不足からくる失敗を回避するには、各工程の経験を積み重ねるしかありません。
そのため家の大事な部分にぶっつけ本番で挑むのではなく、失敗してもよいものである程度練習をしておくとよいでしょう。
理由③:道具が準備できていない
道具がきちんと準備できていないことも、失敗の理由としては代表的なものです。
日本では「弘法筆を選ばず」という言葉が広く知れ渡っており、きちんとした知識と技術があれば、道具の充実や品質は関係ないと考える人が少なくありません。
しかし、世の中の多くの物事において、しっかりとした作業を行うにはよい道具をきちんと準備しておくことが必要不可欠です。
漆喰DIYも例外ではありません。もし知り合いにプロがいるのであれば、道具について質問してみるとよいでしょう。
おそらくプロだからこそのこだわりを、たくさん教えてくれるはずです。
プロでさえ道具にこだわるわけですから、アマチュアのDIYにおいて道具が重要な意味を持つのはいうまでもありません。
理由④:下地を十分確認していない
下地を十分確認していないことも、漆喰DIYに失敗する原因としてありがちです。
漆喰は天井や壁といった下地の上に塗るものですが、その下地がどのような状態であるかによって、仕上がり方が変わります。
たとえば、下地の劣化が激しかったり、古い塗料が残っていたりする場合、新たに塗り込んだ漆喰がきちんと固定されず、剥がれ落ちてしまう可能性も。
ほかにも、下地の形状がデコボコしているなど不規則である場合、漆喰の厚みが均一にならず、見た目は強度に悪影響を及ぼすことも考えられます。
こういったことからくる失敗を防ぐためには、まず下地にある程度の修繕を施さなければいけません。
理由⑤:きちんと計画が立てられていない
きちんと計画を立てずに始めてしまうのも、漆喰DIYに失敗するパターンとしては典型例です。
漆喰DIYはきちんと段取りを踏まえる必要のある作業で、どれか1つでも雑に行ってしまうとうまくいきません。
すべての工程を問題なく済ませるためには、事前にきちんと計画を立てて、可能な限りシミュレーションしておく必要があります。
「とりあえず始めてしまえば何とかなるだろう」と考えず、まずはしっかり計画を立てることから始める姿勢が大切です。
【関連記事】漆喰を塗り壁材に使う魅力を徹底解説
漆喰DIYの失敗事例
ここでは漆喰DIYの失敗事例として、以下の5つをご紹介します。
- 漆喰の厚みが適切でない
- ヒビ割れ・剥がれ・粉吹きが起きる
- 漆喰がはみ出してしまう
- 調湿効果が実感できない
- 臭いで気分が悪くなる
順番に見ていきましょう。
事例①:漆喰の厚みが適切でない
漆喰は、薄すぎても厚すぎても不適切です。
下地の状態やその他もろもろの状況から判断して、適切と思われる厚さで塗らなければいけません。
たとえば、薄く塗りすぎてしまった場合、下地が透けて見えてしまう可能性があります。
見栄えが悪いのはもちろん、薄すぎると強度が弱かったり、調湿性や抗菌性といった漆喰ならではの効果が期待できなかったりといった弊害が考えられます。
逆に厚く塗りすぎてしまった場合には、割れにつながる点がリスクです。
何回かに分けて塗るのではなく一気に分厚く塗ってしまった場合、漆喰が乾燥していくにつれて蒸発する水分の幅が大きくなり、割れてしまう可能性が高まります。
事例②:ヒビ割れ・剥がれ・粉吹きが起きる
ヒビ割れや剥がれ、粉吹きなどが起きるのも、よくある失敗事例の1つに数えられます。
これらが起きる原因としては、値段が安いことに惹かれて粉漆喰を水とあわせて塗った場合が考えられます。
100%自然素材で作られた天然の漆喰には、化学物質が含まれていません。
そのような漆喰を使えばヒビ割れ・剥がれ・粉吹きは発生しにくいのですが、粉漆喰を水とあわせたものは失敗の元となります。
配合や水との相性においてミスが発生しやすく、多くの人が考えている以上に難しいからです。
事例③:漆喰がはみ出してしまう
漆喰がはみ出してしまうのも、よくある失敗の1つです。
失敗が起きる原因としては、漆喰を塗るスキルの低さや、養生の段階でマスキングテープを上手に貼れていなかったことなどが挙げられます。
きちんとした道具を揃えていない場合も同様です。
脚立の代わりに家庭にある椅子で間に合わせようとすると、体勢を保てないためうまく塗れない箇所ができる、といったケースが考えられるでしょう。
事例④:調湿効果が実感できない
漆喰を塗ったのにもかかわらず、調湿効果がほとんど実感できないというのもよくある失敗事例です。
そもそも漆喰の壁に調湿効果があるとされた理由の1つとして、昔の壁が土壁だったことが挙げられます。
土壁はそれ自体に断熱性や調湿性があり、現代の住宅の壁とは性質がかなり異なります。
「漆喰の調湿効果」であるとされているものは、実際には土壁の調湿性との合わせ技で成立しているものなのです。
そのため、ただ漆喰を塗っただけでは、言われているほどの効果は期待できません。
事例⑤:臭いで気分が悪くなる
臭いで気分が悪くなるというのも、漆喰DIYによくある失敗の1つでしょう。
漆喰の臭いは、天然糊あるいは化学糊の臭い。このうち臭いがきついのは、天然糊のほうです。
塗りたての時期は、その臭いの強さに耐えられないこともあるかもしれません。
ほとんどの場合、ある程度時間が経てば臭いも弱まってくるので問題は消滅します。
しかし、場合によってはいつまで経っても気分が悪くなるレベルの臭いを放ち続けるかもしれません。
その場合には、漆喰を剥がしてしまうか、あるいは臭いが消えるまでこまめに換気するなどの習慣をつけておくしかないでしょう。
まとめ
漆喰DIYに失敗してしまう理由と、よく見られる失敗事例について解説しました。
自分の手で家の壁に加工を施す漆喰DIYは、素晴らしい趣味であると同時に、有益な作業でもありますよ。
しかし、落とし穴についてきちんと理解しておかないと、始めたあとになってトラブルが発生してしまう可能性があります。
この記事を参考にして、うまく漆喰DIYを楽しめるようになってください。
リフォーム・リノベーションをご検討されている方は、無料相談会も行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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この記事の監修 アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士
2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。
新築だけでなくリフォームも承っておりますので、気になる方は是非無料相談会にご参加ください!
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