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漆喰は体に悪いって本当?体に悪いといわれる理由と本当に危険かを解説

家の設備・性能2024.06.11

「漆喰(しっくい)」と聞いて、みなさんはどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。

 

現在自然素材の建材として、和風や洋風の様々な住宅に合うデザイン性としても注目されています。

 

しかし、漆喰を住宅に使用すると体に悪いというイメージを持たれている方もいるのではないでしょうか。

 

この記事では、漆喰を住宅に使用することは本当に体に悪いことなのか、漆喰の壁材としてのメリットなどについて詳しく解説していきます。

 


 

 

漆喰とはどのような壁材か?

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漆喰とは、昔からお城などの城壁に使われているものです。真っ白で独特な、きれいな模様が印象的ではないでしょうか。

 

自然素材が注目を浴びている現在、添加物が少ない自然素材のお家で暮らしたいという方を中心に人気を集めています。

 

そもそも、「漆喰」がどのように作られるのか、みなさんはご存じでしょうか。

 

「漆喰」とは、簡単に言うと「消石灰」を主成分とした建築材料です。

 

住宅様式や、気候、風土などに合わせて、世界各地で独自の発展を遂げています。

 

日本の「漆喰」は石灰岩を高温で焼いたものに水を加えて、高温の熱を発生させ「消石灰」を作り、骨材やすさ(麻)、海藻のりなどの有機物を混ぜて練り上げることで完成します。

 

「漆喰」は外壁だけではなく、住宅の内装材としてもよく使用されています。

 

なぜ、内装材としても使用されるほど人気があるのか。漆喰を住宅に使用することで様々なメリットがあるからです。

 

漆喰は、「呼吸する壁」とも言われているほど高い調湿性能を持っています。

 

湿度が高い夏は余分な水分を吸い取り、湿度が低い冬は水分を放出してくれるため、常にお部屋の湿度を調整し、保ってくれます。

 

漆喰には細かい穴が開いており、多孔質の素材であるため、調湿に優れているのです。

 

調湿効果が高いことで、結露になりにくい、建物の耐久性を維持できるなどのメリットもあります。

 

また、漆喰は強アルカリ性という性質を持っています。

 

強アルカリ性は掃除や消毒などに使用されるほど強い殺菌作用を持ち、カビが発生しにくく、風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルスなど様々な細菌やウイルスに対して高い効果を発揮するとされています。

 

実際に,

長崎大学と関西ペイント株式会社により抗ウイルス効果についての実証実験が行われ、インフルエンザや新型コロナウイルスなど様々な病原ウイルスに対して漆喰の壁は効果があるのかという検証が行われました。

 

その結果、菌が漆喰の壁に接触することで病原ウイルスが持つ感染力が高い割合で低下するという事実が認められたのです。

 

漆喰の抗菌作用は昔から着目されており、現在においても鳥インフルエンザなどの病原ウイルスに対して利用されています。

 

これらの理由により、漆喰には高い抗菌性能が付与されていると言えます。

 

そして、漆喰はとても耐火性が高く、建築素材としても不燃材料として認められています。

 

火災がもし起こってしまっても、ビニールクロスの壁材のようにダイオキシンなどの有害なガスが発生することはありません。

 

昔の城壁などに漆喰が使用されていた理由も、耐火性に優れていたためだといわれています。

 

漆喰の良さは性能だけではありません。内装のメンテナンスの面でもメリットが大きい建材です。

 

現在主流の内装材となっているビニールクロスは、時間が経つと黄ばんだり、壁から剥がれてしまったりするため、定期的に張替えをしなければなりません。

 

しかし、漆喰の主原料となる消石灰は、静電気を溜め込まない性質を持っているため、ホコリやゴミなどが付着しにくいのです。そのため、塗りたてのようなきれいな状態を長い間維持できます。

 

万が一、汚れなどが気になりメンテナンスする場合でも、薄く漆喰を上塗りするだけできれいに出来ます。

 

引用元:関西ペイント株式会社|プレスリリース

 

 

なぜ漆喰は体に悪いといわれるのか?

漆喰と聞いて、「体に害がある」「危険な壁材」という風に捉えられることも少なくはありません。

 

なぜそのようなイメージが定着しているのでしょうか。その原因を考察していきます。

 

 

漆喰の原料は消石灰

 

それは、漆喰が「消石灰」を主成分としているからです。

 

消石灰は、別名「水酸化カルシウム」と言われています。

 

水酸化カルシウムは強いアルカリ性であるため、酸性化した河川などの中和剤や凝集剤、化粧品のpH調整剤、こんにゃくなど食品の製造や加工にも使用されています。

 

食品等で使用されるほど微量であれば、全く人体に影響はありません。

 

しかし、漆喰のように消石灰(水酸化カルシウム)を主成分とした壁材を大量に使用し、強アルカリ性が殺菌剤や洗剤などに使用されているイメージが強いために「危険だ」と言われることが多いようです。

 

 

消石灰の体への影響

 

水酸化カルシウムが持つ強アルカリ性は、人体にどのような影響を及ぼしてしまうのでしょうか。

 

代表的な例として挙げられるのは、「化学熱傷」と「失明の危険性」です。

 

  • 「化学熱傷」

 

化学熱傷とは、強アルカリの性質を持つ化学物質が皮膚に付着し、水分と混ざることで皮脂を溶かし、やけどのような症状を起こすことです。

 

漆喰の場合、粉の状態から水分を含むと強アルカリ性となり、取り扱いに関して充分な対策が必要です。

 

服の中に入ると、自分の汗や水分で強アルカリ性になり、化学熱傷を起こすことがあります。防護服を着用していても服の中に入り、化学熱傷になった例などもあります。

 

  • 「失明の危険性」

 

粉状の漆喰が目に入ると、目に含まれる水分で強アルカリ性に変化し、角膜や結膜がダメージを受けてしまいます。

 

これは、強アルカリ性がたんぱく質を分解するという性質があるためです。

 

角膜や結膜のたんぱく質が分解されてしまうと激しい痛みを伴い、視力の低下や最悪の場合は失明となる危険性もあり得ます。

 

消石灰は保育園や学校などの校庭で白線引きに利用されていましたが、児童や生徒の目に入る事故が後を絶たず、文化省の規制により危険度の少ない炭酸カルシウムに切り替えることとなりました。

 

 

漆喰を家の壁に使うのは危険?

 

上記の内容だと、漆喰はとても危険だ!と感じる方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、漆喰が危険な状態になるのは

 

  • 粉状の場合(風などで目や服の中に入り、水分と混ざる可能性が高い)
  • 水分を含んだペースト状の場合(水分を含んでいる状態であるため)

 

この2つの条件の時のみとなります。

 

完全に乾いた状態での漆喰の壁は石化し、中性化した状態であるため、

 

漆喰の壁を触ったり、小さなお子様が舐めたりしてしまっても全く問題ありません。

 

漆喰を住宅の壁に使用することで、体への悪影響は全くなく、むしろ住宅にも体にも優しくメリットの多い建材だと言えるでしょう。

 

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まとめ:漆喰はメリットの多い壁材

カウンター付きのキッチン

漆喰が危険な状態となるのは施工の途中のみであり、完全に乾燥すると危険性はないということがお分かりいただけたでしょうか。

 

漆喰はモダンな和風のお家や洋風のおしゃれなお家にもマッチし、様々な機能を持つメリットの多い壁材です。

 

小さいお子様がいらっしゃるご家庭の方でも、ご高齢の方が住まれているご家庭でも安心安全な壁材といえます。

 

アットホームラボでは、新潟県柏崎市に漆喰の塗り壁や無垢床などの自然素材を使用したモデルハウスameiroがございます。

 

実際に自然素材に包まれた住宅をご覧いただき、快適さを体感していただければと思います。

 

ご興味のある方は、ぜひ各モデルハウスの来場予約ページからご予約の上、お気軽に見学にお越しください。

 

 

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この記事の監修

アットホームラボ代表 青木真大(あおきまさひろ)
二級建築士、二級建築施工管理技士


2006年建築デザイン学部を卒業後、東京と新潟の建築事務所にてデザイン実務を経て、株式会社アオキ住建へ入社。 建築業界で15年間の設計、現場監督経験を経て、住宅事業部の責任者として1,500件以上の新築及び大規模リノベーションに関わる。

 

 

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